若き童謡詩人の巨星
金子みすゞ ちいさな展示会
+ 小林泰子 特設展
会 期 : 2020年7月4日(土)~7月12日(日)
休 館 日 : 火曜日
協 力 : 金子みすゞ記念館
私と小鳥と鈴と
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
ー 金子みすゞ
自然の風景を見つめ、優しさにつらぬかれた金子みすゞのみずみずしい言葉と感性は、21世紀を生きる私たちに大切なメッセージを伝え続けています。
<プロフィール>
本名 金子テル。大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した童謡詩人。
1903年、山口県生まれ。
10代半ばから詩を作り、下関市に移り住んだ20歳ごろから雑誌に詩を投稿するようになる。若き童謡詩人の巨星と称賛されながらも、26歳の若さで自ら命を絶った。
代表作には「私と小鳥と鈴と」「大漁」「こだまでしょうか」など。
自然とともに生き、小さな命を慈しむ思い、命なきものへの優しいまなざしが、金子みすゞの詩集の原点と言われる。
詩の展示のほか、小林泰子さん(こばやし やすこ:津山市在住)の作品も併せて展示しています。小林さんは、生活の中で見つけた自然の断片、木の葉や枝に草木染めをした絹糸を巻いてオブジェをつくり、それらを集合させて空間をつくられる美術作家。金子みすゞが詩にしたちいさな生き物や命への自然観や優しいまなざしを、木の葉がリズミカルに戯れる展示空間に仕立て、巧みに視覚的に表現していただきました。「風が感じられる」素敵なスペースへと生まれ変わりました。
イベント
【金子みすゞ童謡ミニコンサート】
歌い手:大島良子 + ピアノ:先元潤子
7月12日(日)2回公演(1時間程)入場無料(予約不要・1回20人程)
❶11時〜 ❷14時〜
津山在住の大島良子氏は「童謡ひろば〜うたわらべ」を主宰され、童謡をうたい継ぐ活動や童謡の保存・継承に尽力されておられ、自主公演も多数行なっておられます。
先元潤子氏は東京コンセルヴァトアール尚美研究科を卒業され、らくらくピアノ岡山支部1級認定講師、先元潤子音楽教室や大人のためのピアノ教室を主催されています。
メロディーとともにうたわれる金子みすゞの詩の世界を、ぜひこの機会にご鑑賞ください。