喜多村みか / Einmal ist Keinmal
"Einmal ist Keinmal(一度は数に入らない)一度だけおこることは、
一度もおこらなかったようなものだ。
人がただ一つの人生を生きうるとすれば、それはまったく生きなかったようなものなのである。"
『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラ
一度しか起こりえないことを、写真に撮って、それを何度も眺めるという行為
一度にもカウントされないような出来事を、写真に収めるということ
それは或いは「1」にも満たないほど貴重な、そして希少な存在を収めているような錯覚にも陥る
忘れたくないことや、伝えたいことなど、写真にとっては何の意味もない
でもそれは同時に、写真家にとっての救いだとも思う ただ人と繋がる手段なのかもしれない
もしくは何かの象徴なのだろうか そんな写真に、何か意味はあるのだろうか わからない
でも、なにげない風景が、なにげなく振る舞ったことは、きっと一度もない なにか同じことが二度以上起こることは、厳密にはありえない
(作家WEBより引用)
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