甲田千晴
「ふたつの窓」
TWO WINDOWS
会 期 : 2021年3月6日(土)〜 3月22日(月)
休 館 日 : 火曜日
作家在廊日 : -
岡山県芸術文化育成・支援事業
岡山県では、次世代を担う岡山県ゆかりの芸術家に活動・発表の機会を提供し、創作活動を支援するとともに、県民の皆さんに優れた芸術に触れる機会を提供しています。
(特別企画)*トークイベント
甲田千晴×花房(鈴木)紗也香
司会 柳沢秀行
(公益財団法人 大原美術館 学芸統括)
2021年3月6日(土)
15:00〜
入場無料|定員20名(満員御礼)
※定員いっぱいとなったため、ご予約を
終了とさせていただきます。
環境音採集ワークショップ
3月20日(土)14:00 - 16:00
参加無料|定員15名(要予約)
*小学生以上対象
※お席残りわずかとなりました
進行・講師 岩本象一
岩本が東南アジアでの採音を中心に録音したアーカイブを紹介。その後参加者と共に町歩きしフィールドレコーディングを敢行する。集めてきた音を使って展示室にて参加者全員でサウンドパフォーマンスを試みる。
持ち物は、録音できるもの。(スマートフォンやレコーダーなど)貸し出しも可。
*新型コロナウィルスの流行状況により展示、イベント内容の変更の可能性もあります。
つきましては当館 HP、SNSなどで随時告知します。
同時開催
花房(鈴木)紗也香 作品紹介
*金庫ギャラリーにて
私は、記憶と未来の関係に興味がある。過去の記憶 を今思い出すだけで、その記憶は未来の一部と変化する。これから出会う人や出来事、場所が記憶を変 えていく。今回の展示「ふたつの窓」は、幼い頃によく 入った祖父母の家にあった薪風呂の記憶を基にし たもの。裏山には蒸留貯水場が設置されていて、お 風呂に使われる水はそこから来ていた。浴槽の横に は、土間と通じる小窓があった。薪が焼べられると、 窯のレンガが熱を持ち湯を沸かした。山からの冷たい水を熱する薪の弾ける音が小窓を通して伝った。 蒸気が充満したお風呂場の小窓を開けると、湯気が 凄まじい勢いで土間に流れていくのが見えた。そして、熱気と冷気が入り混じっていくのを肌で感じた。 湯船の中で目をつぶると、貯水場の水面に映ったゆ ったりと流れる雲を思い出した。記憶は一つ一つ、その場所に積み重なっていくような気がした。ある日、 気象観測地と実家が9km離れていることを知った。
「下から見る雲の色」や「温度の境界線」など計測できない情報に興味を持ち始め た 。今回展示する部屋の赤煉瓦をみていると、幼い頃の薪風呂を思い出した。ギャラリーのふたつの部屋を利用して、温度の曖昧な境界を表現してみようと思う。
作家プロフィール・略歴
*甲田千晴 Chiharu Koda
1982 岡山県生まれ
2005 岡山県立大学デザイン学部工芸高業デザイン科 卒業
2008 岐阜県多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2012 - 秀桜基金留学賞にてヨーロッパ、アメリカ、エクアドルを周遊
2020 国立カールスルーエ美術大学フリーアーティスト学部彫刻学科 卒業
同大学彫刻科ステファン・バルケンホール教授クラス、マイスター 修了
<展示>
2009年から大阪と 岡山 、岐阜、京都、東京 、名古屋の国内や スイス(ベルン)、ドイツ(カールスルーエ)で個展開催。
2005年から国内各地と韓国、スイス、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、フランスなどで グループ展やシンポジウムに参加。
<賞歴・入選>
2006 第44回朝日陶芸展 奨励賞
2008 第1回岡山県新進美術育成I氏賞 奨励賞 2012 第6回秀桜基金留学賞
2020 Allegro Prize ショートリスト入選
<パブリックコレクション>
2004 岡山県英田郡西粟倉村
2012 Hetjens Museum(デュッセルドルフ、ドイツ)
2014 Arctic Ceramic Museum(ポシオ、フィンランド)
アーティストトーク
*花房(鈴木)紗也香 Sayaka(Suzuki)Hanahusa
1988 ロンドン生まれ
2012 多摩美術大学絵画科油画専攻 卒業
2014 多摩美術大学大学院絵画科油画専攻 修了
トーキョーワンダーサイト平成26年度二国間交流事業プログラムとして
スイス、バーゼルに派遣(3ヶ月)
平成30年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてフランスに研修
<個展>
「呼応する記憶」同時代ギャラリー(京都)
「Collecting time」Usine Kugler(スイス、ジュネーブ)
「額縁の中を愛おしく」黄金町エリアSite-A ギャラリー(神奈川)
「SHINE」第一生命南ギャラリー(東京)
「ARKO」大原美術館(岡山)
<受賞・入選>
2011 「シェル美術賞」島敦彦審査員賞 受賞
第26回ホルベインスカラシップ奨学生
2013 VOCA賞 受賞
2018 野村財団奨学生
アーティストトーク司会者
*柳沢秀行 Hideyuki Yanagisawa
大原美術館 学芸統括
1991 筑波大学芸術専門学群芸術学専攻 卒業
同年、岡山県立美術館学芸員
2002 大原美術館に学芸員として勤務
2005 学芸課長、2020年より現職
日本近現代美術史研究、また美術(館)と社会の関係についての調査、実践。
ワークショップ&パフォーマンス進行者
*岩本象一 Shouichi Iwamoto
音楽家。兵庫県出身
インドネシア留学を経て2010年より岡山市在住。岡山ジャワガムラン教室主宰