喜多村 みか
「TOPOS」
+mika kitamura photo archives
会 期 : 2020年7月18日(土)〜 8月2日(日)
休 館 日 : 火曜日・7月27日(水)
作家在廊日 : 7月18日、19日、8月1日、2日
トークイベント: 8月2日(日) 15:00 - 15:45 (無料)
松村圭一郎 文化人類学者 × 喜多村みか 写真家
/ファシリテーター 森内勇貴 哲学家
展覧会概要
喜多村みかは1982年うまれの写真家で、2008年に東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻写真領域を修了。主にスナップショットとされる技法を使用し、写真表現の探究をおこなっている作家です。
「TOPOS」は、昨年3月に上野の森美術館で開催された「VOCA展2019 現代美術の展望 – 新しい平面の作家たち」への招待作品(山峰潤也氏推薦:水戸芸術館現代美術センター学芸員 / 推薦当時)であり、その際には大原美術館賞(岡山県倉敷市)を受賞しました。その後、昨年11月に東京(Alt_Medium /高田馬場)で個展「TOPOS」が開かれたのを機に、本展はその巡回展として企画されました。また、今回は「+mika kitamura photo archive」と称し、これまでに発表されてきたものからセレクトされた作品も合わせて展示いたします。そして8月2日には、文化人類学者の松村圭一郎氏(岡山大学准教授)とのトークイベントを予定しております。
TOPOSは、喜多村がかつて中学時代を過ごした長崎と、それまで直接的には縁のなかった広島へ2014年ころから定期的に通い撮影を続けている作品です。ある年、喜多村は、長崎でも広島でもない場所で、平和記念式典のテレビ放送の様子を撮影。その写真を眺めていたときに感じた“遠くのどこか”を見つめる行為について思いを巡らせたことが、本作品を制作するきっかけとなりました。喜多村は、この作品を通して、このふたつの街はもとより、どこか遠くの色々な場所に想いを巡らせ続けるための方法として撮影を続けていると話します。喜多村が撮影した作品が、おなじく誰かにとっての“遠くのどこか”になるように、繋がり、思考させる場所の記録を、この機会にどうぞご覧ください。
みるひと, 2011
penumbra, 2014
*top - TOPOS, roses and the dome, Hiroshima, 2014
プロフィール
■ 喜多村みか (きたむら・みか)| 写真家
1982 福岡県糸島市生まれ
東京工芸大学大学院 芸術学研究科メディアアート専攻写真領域 修了
主な個展
2019 「TOPOS」Alt_Medium(東京)
2017 「meta」Alt_Medium(東京)
2014 「DEEP POOL GUIDE」百年(東京)
2013 「Einmal ist Keinmal / my small fib」テルメギャラリー(東京)/ ブックスキューブリック(福岡)/ Prinz(京都)・
2005 「Einmal ist Keinmal」 新宿・大阪ニコンサロン(東京・大阪)
主なグループ展
2019 「VOCA展2019 現代美術の展望 - 新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)・
2018 「あなた/わたし」塩竈フォトフェスティバル2018、亀井邸(宮城)・ 2014 「Nature in Tokyo」第2回KYOTO GRAPHIE、le Monde M le magazine企画、弘道館(京都)
2013 「削ぎ落とす ~Araki Shin Exhibition」Anonym gallery(長野)
2011 「The Color of Future~たぐりよせるまなざし~」ターナーギャラリー(東京)
2011 「aspect」赤羽佑樹+喜多村みか、STUDIO annex(東京)
2011 「TWO SIGHTS PAST」ギャラリーアットラムフロム(東京)
2010 「コミュニケーション展」明るい部屋(東京)
2008 「TWO SIGHTS PAST」LUMEN GALLERY、ブダペスト(ハンガリー)
2008 「Helsinki Biennale 2008」ヘルシンキ(フィンランド)
2006 「TWO SIGHTS PAST/キヤノン写真新世紀」東京都写真美術館(東京)ほか
受賞歴
2019 VOCA展2019 大原美術館賞
2006 キヤノン写真新世紀優秀賞(飯沢耕太郎 選)喜多村みか+渡邊有紀「TWO SIGHTS PAST」
2005 ニコンJuna 21 入選
出版物
2013 写真集『Einmal ist Keinmal』Therme Books
パブリックコレクション
2019 大原美術館(岡山県倉敷市)
■ 松村圭一郎 (まつむら けいいちろう)| 文化人類学者
1975年、熊本市生まれ。
岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。
エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを続け、富の所有と分配、貧困や開発援助、海外出稼ぎなどについて研究。
主な著書に『所有と分配の人類学』(世界思想社)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、第72回毎日出版文化賞特別賞)、『はみだしの人類学 ともに生きる方法』(NHK出版)、編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)などがある。
■ 森内勇貴 (もりうち ゆうき) | 哲学家
1983年岡山県津山市出身。早稲田大学人間科学部出身。
独学で哲学を探求。東京で様々な仕事を経て、津山へ帰郷。
現在、「PORT ART&DESIGN TSUYAMA」にて哲学講座を開催。また、Yokoyama「菊地」主催。